2004年韓国に入国した脱北詩人の詩集。1995年から1998年のあいだに300万人の人民が餓死した歴史的事実を、切切たる家族愛でうたい、飽食の韓国の若者たちに衝撃を与え、ベストセラーになる。
体制がほころびはじめて、やっと明かされた真実は、韓国や日本、世界の北朝鮮に対する援助がなんに使われたのかという疑問を投げかけるが、そういう政治的なものよりも、生きるということはどういうことなのだろうかという根源的な問いかけを読者に投げかける詩集。
ナレーター
吉田美智子
飯粒/わたしたちはご飯を食べる/戸を叩く音/林檎の木の家/出席簿/ペットボトル/願い/ホタル/コーヒー代/塩
堀美保子
スプーン/ご飯と言えば/隣の家/こどもの夢/彼らの最後の顔/水売り/孝行娘/印塘水/容赦は多くのことを教えてくれる/空っぽの空/豆満江を越えて/アリラン/憎い線
藤原真聖
わたしたちのご飯は/ご飯が残ったよ/まっかな嘘/その女/乞食の願い/わたちたちの暮らしは/タバコの吸殻/今も/ウリマル/半世紀を越えて
宮内隆臣
配給所/三食と三日/この世で一番おいしいものは/われは殺人者/家族の心情/日曜日に/梅雨/糞の値/わたしの娘を100ウォンで売ります/因縁/?と!/空腹だといいこと/死刑囚/代用人間/布告文/静寂/わたしたちは祖国を見捨てていない/住民登録証番号/夢ででも願う夢
池田知聡
将軍様のチェギバッ/夢で見た父/終着駅/宮殿/歯磨き粉/乳/燃える大豊作/前途が険しくても笑顔で進もう/史跡碑/花輪/海のかなたの人々/鋼鉄/稀世の将軍/救済米というな/大/わたしたちの離別/太極旗を見たとき/三月十二日/脱北者
バック音楽 チョンチャヌ